鶏生肉にはカンピロバクターという食中毒菌が付着していることがあります。

この菌は少量でも感染する可能性があり、新鮮な鶏肉ほど菌が生き残っていることもあり、
生肉や加熱不十分な生肉(鶏肉他)を喫食すると、下痢、発熱、腹痛などの症状が現れ、
特に子どもさんや高齢者、免疫力の低い人は重症化する恐れがあります。

生肉・鶏肉による、カンピロバクター食品事故は、細菌性食中毒としてはここ数年一番発生率が多くなっています。
ただ単に体調不良だけでなく、神経症状での「ギラン・バレー症候群」を呈することがもある食中毒です。

生鶏肉(冷蔵・冷凍)を解凍後、生食で喫食したり、不十分な加熱により食肉を提供することは、重要な神経症状障害を起こす可能性があることに注意してください。
特に生肉は十分に加熱が必要な食材であること、生肉のドリップ(肉汁)1滴がサラダに飛んだだけでも感染が成立することから、
鶏肉他生肉類については、食材の保存・管理・調理時の注意、二次汚染に従来以上に注意を払っていくことが重要です。

《カンピロバクターの特徴》

●動物の腸管内に生息し、食肉や飲料水を汚染する。
●微量な菌でも食中毒を起こし、ヒトからヒトに感染する。
●30~50℃の狭い温度範囲で発育する。

《安全な加熱基準》 

鶏肉の加熱の場合、中心部を75℃以上で加熱することが重要です。
表面が白くなっても中心部が十分に加熱されていない場合があるため、
見た目だけで判断せず、中心温度計などの専用器具で確認することが重要です。
挽肉料理(ハンバーグ、つくねなど)は、肉汁が透明になり中心部が褐色になるまで加熱してください。

《二次汚染の防止》 

生の鶏肉を扱った調理器具や手で他の食品に触れると、二次汚染による食中毒が発生することがあります。
調理の際は以下の点に注意してください。
●生の鶏肉・食肉と他の食品は分けて取扱う。
●食肉を冷蔵・冷凍庫に保管する際は必ず他の食品・食材と区分けをし、蓋やラップをかけ、ドリップ対策をする。
●使用した包丁やまな板は肉専用の調理器具を使用し、洗浄・消毒を徹底する。
●鶏肉・食肉に触れた手は十分に洗う。
●加熱の際は専用の箸やトングを使用する。
●加熱不十分な肉類、特に鶏肉、生肉の取り扱いに十分注意する。

鶏肉は栄養価が高く美味しい食材ですが、生や加熱不十分な状態で食べると食品事故のリスクが非常に高いので、
中心部まで十分に加熱し、二次汚染を防ぐ衛生管理を徹底することが重要です。

食品衛生フードプラスワン
食品衛生コンサルタント 堀越和彦先生 監修
食品販売スタッフのための食品衛生コラムです。

堀越和彦先生のご経歴

大手百貨店で45年間、食品関連の営業・企画・仕入 れ・品質管理業務に従事。現在では、商品MDの企画・バイイング 、現場意識を重視した営業支援 、そして、食品衛生管理面のリスクマネジメント指導など、幅広く活動されている。

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